お墓の引っ越し(移動)はどうする?流れや費用について解説
- お墓
お墓の引っ越し(移動)を「改葬」といいます。都市部への転居や核家族化・少子化が進む中、改葬をする方が増えています。
改葬をしたいと思っていても、お墓が居住地から離れているためにどうしたらいいのか不安な方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、お墓を移動するときの流れや必要な費用、注意点について解説します。
目次
- お墓を引っ越す(移動する)人が増えている背景
- お墓を引っ越す(移動する)流れ
- お墓の引っ越し(移動)に必要な費用は?
- お墓を引っ越す(移動する)際の注意点
- お墓の引っ越し(移動)でよくある質問
- お墓の引っ越し(移動)は親族の同意を得たうえで、必要な手続きを
お墓を引っ越す(移動する)人が増えている背景
お墓を引っ越す(移動する)人が増えている背景として、次のような事情があります。
〇故郷の墓が遠いためにお墓参りができない
〇お墓の維持が困難
〇お墓を継ぐ人がいない
故郷の墓が遠いためにお墓参りができない
近年、核家族化や転勤の増加により、故郷から離れて暮らす方が増えています。その結果、遠方にあるお墓参りに行くのが難しくなり、お墓参りに行けないという悩みを抱える方が増えてきました。
具体的には、以下のような理由が挙げられます。
〇時間的な制約:仕事や家庭の事情で、お墓参りに行く時間が確保できない
〇経済的な負担:交通費や宿泊費などの費用が負担になる
〇体力的な問題:年齢や健康上の理由で、長距離移動が難しい
このような状況を改善するために、お墓を居住地の近くに引っ越すという選択肢が考えられます。
お墓の維持が困難
近年、少子高齢化や核家族化の影響で、お墓の維持管理が困難になるケースが増えています。
理由は次の3つです。
〇体力的な問題:年齢や健康上の理由で、お墓の掃除や管理が難しくなった。
〇経済的な負担:遠方にあるお墓の管理費用が負担になる。
〇墓地の状況:老朽化や災害などで、墓地の維持が困難になった
お墓を維持しやすい場所に引っ越すことでこうした問題を解決することができます。
お墓を継ぐ人がいない
このほか、少子高齢化や核家族化の影響で、お墓を継承する人が減っています。
お墓を継承する人がいない場合、次のような問題が発生する可能性があります。
〇無縁墓:誰にも供養されずに、放置されたお墓になってしまう
〇管理の行き届かない墓地:無縁墓が増えると、墓地全体の管理が行き届かなくなり、荒廃してしまう
〇行政による撤去:長期間放置された無縁墓は、行政によって撤去される可能性がある
このように問題が深刻化する前に、お墓を引っ越すことをおすすめします。
お墓を引っ越す(移動する)流れ
お墓を引っ越す流れは、以下の通りになります。
- 墓石・墓地を管理する寺院・霊園に連絡する
- 移転先を決める
- 現状の墓地を確認する
- 新しいお墓(墓石)を探す
- 行政手続きをする
- 遺骨の取り出し・法要
- お墓を解体・墓所を返還する(墓じまい)
- 移転先のお墓に納骨する
墓石・墓地を管理する寺院・霊園に連絡する
お墓は、単なる石碑ではなく、故人を供養するための大切な場所です。そのため、お墓を移転する際には、寺院・霊園の許可を得る必要があります。
寺院・霊園に伝えるべき内容は次の5点を参考にすると良いでしょう。
〇お墓を移転したい旨を伝える
〇移転先の墓地が決まっている場合は、その情報を伝える
〇移転の日程を決める
〇必要な手続きについて確認する
〇費用について確認する
寺院・霊園によって、必要な手続きや費用は異なります。事前にしっかりと確認しておきましょう。
また、お墓を移転したいと思ったら、できるだけ早めに寺院・霊園に連絡しましょう。特に、お盆やお彼岸などの繁忙期は混雑することが予想されます。
現状の墓地を確認する
お墓を移転する際は、次の情報を把握しておきましょう。
〇墓地の所在地
〇墓地の管理者
〇使用権の状況
〇埋葬されている遺骨の数
〇墓石の大きさ
〇墓地の環境
墓石の大きさや墓地の環境を把握しておくことで、自然と移転先の候補を絞り込むことができ、移転費用を算出することができます。
移転先を決める
現状の墓地の情報を踏まえて、移転先を決めます。
移転先を選ぶ際には、家族の意見、立地、費用、環境、寺院・霊園の規則なども考慮しましょう。
お墓を移転することは、手間や費用が掛かり、容易なことではありません。しかし、将来的な負担を軽減したり、お墓参りに行きやすくなったりするなどのメリットがあります。お墓の移転を検討している場合は、時間をかけて慎重に検討することをおすすめします。
お墓参りに行く頻度や、交通手段などを考慮して、アクセスしやすい場所を選ぶことが重要です。
新しいお墓(墓石)を選ぶ
新しいお墓(墓石)を選ぶ際には、次の点を考慮しましょう。
費用
墓地の購入費用や、墓石の建立費用など、新しいお墓にかかる費用を考慮する必要があります。
種類
お墓には、「永代供養墓」や「樹木葬」など、様々な種類があります。それぞれの種類の特徴を比較検討して、家族に合ったお墓を選ぶことが重要です。
「樹木葬」について、詳しく知りたい方は「樹木葬とは?種類や費用を詳しく解説!さらにメリットも紹介」をご覧ください。
寺院・霊園の規則
寺院・霊園によって、埋葬できる遺骨の種類や、墓石の大きさなどの規則が異なる場合があります。
親族の意見
お墓は、家族にとって大切な場所です。そのため、新しいお墓を選ぶ際には、親族全員の意見を尊重することが重要です。
行政手続きをする
改葬には、「改葬許可申請」という行政手続きが必要です。
改葬に当たって必要な書類や取得・発行場所はこちらです。
なお、書類の発行に伴い、手数料が掛かることがありますが、市区町村によって異なります。
改葬許可申請を提出後、改葬許可証が発行されたら、新しい墓地に遺骨を埋葬することができます。
遺骨の取り出し・法要
お墓を引っ越す(移動する)に当たって、遺骨の取り出しとともに行う法要は最も重要なものであり、その流れは次のようになっています。
閉眼供養・魂抜き
お墓から遺骨を取り出す前に、閉眼供養と呼ばれる法要を行います。これは、故人の魂を現在の墓地から送り出すための儀式です。
遺骨の取り出し
閉眼供養の後、石材店などの専門業者によって遺骨を取り出します。
洗骨
取り出した遺骨は、洗浄して乾燥させます。
閉眼供養や開眼供養は、必ず僧侶に依頼する必要があります。また、遺骨の取り出しは、専門業者に依頼することをおすすめします。
お墓を解体・墓所を返還する(墓じまい)
遺骨の取り出し、法要が終わったら、お墓を解体し、墓所を寺院・霊園に返還します。(「墓じまい」に関して詳しく知りたい方は、「墓じまいで後悔しないためには?進め方、費用、トラブル対策を詳しく解説!」をご覧ください。)
移転先のお墓に納骨する
移転先のお墓に納骨することが、改葬の最後のステップとなります。
納骨には、「開眼供養」と呼ばれる法要を行います。これは、故人の魂を新しい墓地に迎え入れるための儀式です。納骨は、必ず僧侶に依頼する必要があります。
以上が、お墓を引っ越す(移動する)流れとなります。
事前にしっかりと準備をして、スムーズにお墓の引っ越しを進めましょう。
お墓の引っ越し(移動)に必要な費用は?
次に、お墓の引っ越しに必要な費用について、解説します。
墓石の解体・撤去・運搬費
墓石の解体・撤去・運搬にかかる費用は、様々な要素によって大きく変動するため、一概に費用を算出することはできません。しかし、大まかな目安としては、20万円~80万円程度の費用がかかります。
費用に影響を与える要素
費用相場の目安
- 解体のみ:1㎡あたり5万円~10万円
- 撤去・運搬:1㎡あたり8万円~15万円
その他の要素として、納骨堂への移設など、遺骨の扱いによって費用が変わります。養生や交通規制など、周辺環境への配慮が必要な場合、費用が高くなることもあります。
遺骨の取り出し・法要に掛かる費用
遺骨の取り出しと法要の費用も、様々な要素によって大きく変動するため、一概に費用を算出することはできません。しかし、次の要素を洗い出すことで大まかな目安を考えることができるでしょう。
遺骨の取り出し
遺骨の取り出しに掛かる費用は、遺骨の量や作業内容によって変わりますが、遺骨一体につき3万円程度が目安です。
遺骨の量
骨壺の数によって費用が変わります。
作業内容
納骨室から取り出すのみ:周辺環境への配慮などが必要ない場合は費用が低くなります。
新しい納骨場所への移設:移設先までの距離や方法によって費用が変わります。
法要
法要に掛かる費用として、閉眼供養は3~5万円が目安です。
法要の種類
閉眼供養、開眼供養、遷座法要など、法要の種類によって費用が変わります。また、参加人数によって、料理や返礼品の費用が変わります。
費用相場の目安
- 閉眼供養:3万円~10万円
- 開眼供養:3万円~10万円
- 遷座法要:10万円~30万円
寺院への謝礼
宗派や地域によって異なりますが、改装によりお寺を離れる際は、お世話になったお礼としてお布施を支払います。通常の法事・法要の2~3倍が相場です。
移転先のお墓の購入費
お墓の引っ越しで移転先のお墓の購入費は、墓石の種類や大きさ、設置場所、石材店によって大きく異なり、明確な相場はありません。 費用は、数万円から数百万円まで幅広く、一般的な目安としては、100万円~200万円と言われています。
費用に影響を与える要素をもとに、費用の目安としてご参考ください。
墓石の費用目安
墓石の費用について、詳しくはこちらの「お墓の値段はいくらかかる?平均費用や墓石の相場について解説」をご覧ください。
お墓を引っ越す(移動する)際の注意点
親族間で相談し、同意を得る
お墓は、故人を供養するための大切な場所であり、多くの場合、親族共有の財産です。そのため、お墓を引っ越すという重大な決定は、親族全員の同意を得て行う必要があります。
次の3点に留意しましょう。
お墓に対する考え方の違い
親族それぞれの、お墓に対する考え方や思いは異なります。
お墓を引っ越すことに対する賛成意見だけでなく、反対意見も十分に聞き、話し合う必要があります。
費用負担
お墓の引っ越しには、解体・撤去、運搬、新しい墓石の建立など、多額の費用がかかります。
費用負担をどのようにするのか、事前に話し合っておく必要があります。
今後の管理
お墓を引っ越した後、誰がどのように管理していくのか、事前に決めておく必要があります。
親族間で相談する際のポイントは次の4点です。
早めに情報を共有する
お墓を引っ越したいという考えを、早めに親族に伝え、情報を共有しましょう。
メリットとデメリットを説明する
お墓を引っ越すことのメリットとデメリットを、分かりやすく説明しましょう。
意見を丁寧に聞く
親族それぞれの意見を丁寧に聞き、尊重しましょう。
合意形成を図る
親族全員が納得できるまで、話し合いを重ねましょう。
お墓の引っ越しは、親族にとって大きな決断です。事前に十分な話し合いを行い、全員が納得できるように進めることが大切です。
新しい墓地の周辺環境やルールを確認する
お墓を引っ越す際には、新しい墓地の周辺環境やルールを確認することは非常に重要な注意点です。
新しい墓地の周辺環境について確認しておきたいこと
アクセス
〇自宅や公共交通機関からアクセスしやすいか
〇車で行く場合は、駐車場があるか
騒音
〇周囲に道路や工場など、騒音の原因となるものがないか
環境
〇緑が多いなど、落ち着いた環境か
〇日当たりや風通しは良いか
新しい墓地のルールについて確認しておきたいこと
墓石の大きさやデザイン
〇宗教的な制限があるか
埋葬できる遺骨の数
〇制限があるか
法要の可否
〇法要を行うことができるか
管理費
〇年間どのくらいの管理費がかかるか
これらの点を事前に確認しておくことで、引っ越し後のトラブルや困りごとを防ぎ、改葬の手続きがスムーズになります。
お墓の引っ越し(移動)でよくある質問
お墓の引っ越しでよくある質問について、お答えします。
墓じまい後、墓中にある遺骨は居住区に届けてもらえる?
はい、墓じまい後の遺骨は居住区に届けてもらうことができます。
方法
主な方法は次の3つです。
〇石材店に依頼する
〇ご自身で運搬する
〇郵送する
石材店に依頼する
- 多くの石材店は、遺骨の取り出しから移設までの一連のサービスを提供しています。
- 費用は、石材店によって異なりますが、1万円~5万円程度が目安です。
山岡石材店でも、遺骨の取り出しから移設まで対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
ご自身で運搬する
- ご自身で遺骨を運搬することも可能です。
- その場合は、骨壺専用の容器を用意する必要があります。
郵送する
- 遺骨を郵送することも可能です。
- その場合は、ゆうパックなどの追跡可能なサービスを利用する必要があります。
墓じまいする際の注意点
注意点は次の3つです。
新しいお墓(墓石)は、どのように探せばよいですか?
新しいお墓を探す方法は、以下の方法があります。
〇石材店に相談
〇インターネットで検索
〇寺院・霊園に相談
石材店に相談
石材店では、墓石の種類やデザイン、費用など、お墓に関する様々なアドバイスを受けることができます。また、霊園の紹介や、墓地の購入手続きの代行なども行ってくれる場合があります。
山岡石材店では、ご相談から納骨まで一貫対応しています。また、お手続きに関するご相談や現地確認・見積もり・県外からの相談などにも対応しています。
墓じまいに必要な内容を全てサポートいたしますので、安心してお任せください。
インターネットで検索
インターネット上には、霊園や石材店に関する情報が掲載されています。口コミや評判なども参考にしながら、希望に合ったお墓を探すことができます。
山岡石材店では、図面から基礎工事、施工まですべて一貫施工なので、お客さまのご要望に細やかに対応させていただきます。
霊園に相談
近年は、様々なタイプの霊園が開発されています。希望に合った霊園を見つけるために、場所・費用・設備・宗派の点を考慮しましょう。
お墓の引っ越し(移動)は親族の同意を得たうえで、必要な手続きを
本記事では、お墓の引っ越し(改葬)の流れや費用について詳しく解説しました。
お墓の引っ越しを検討する際には、以下の点に注意しましょう。
- 親族全員で話し合い、同意を得る
- 新しい墓地の周辺環境やルールを確認する
- 必要な書類を準備する
- 費用を明確にする
- 信頼できる業者に依頼する
改葬は、故人への供養だけでなく、親族にとっても大切な節目です。
事前に十分な準備をして、スムーズに手続きを進めましょう。
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